わたしは多汗症です。今年の夏はあっさりと終わった感があるけれど、涼しくなった今も気温差がちょっとでもあると(涼しい所から暑い所に移動するとヤバイ)汗がもう瞬間的にじわーっと出てくるんですよ。もう、困ったちゃん。これだから夏はキライだ。

つい、先日のこと。急ぎ足で駅に向かい電車にひょいと飛び乗ると、案の定、頭の毛根から汗が額に滴り落ちて来た。やがてそれは左右の鼻筋と頬をつたい、ついには下あごに到達。ひどいときには床にポトリと滴り落ちる。

そんなことにならないよう、いつもは大きなハンドタオルをカバンに忍ばせているのだけれど、その日はなぜかぼーっとしたままつり革を握っていたんだよね。

すると、なんということでしょう。目の前に座っていた妙齢の女性が話しかけて来るではないか。「これ、よかったらどうぞ」って。で、俺は身構えたよね。どう反応したらよいのかと。彼女が差し出したのはコンビニやドラックストアで売られている携帯用の「ウェットティッシュ」だった。

断るのもへんな話なので、軽く御礼を述べて一枚受け取った。で、さっそくウェットティッシュで拭いてみた。冷たくて気持ちいい。だけど、湿っているからそんなに汗を吸い取ってくれないんだよね。これだったらカバンの中のハンドタオルを出せばよかった(!)と激しく後悔。後だしじゃんけんは男の恥だからね。

ふと眼前に目をやる。あろうことか、胸元が広めのブラウスを着た彼女も汗を拭っているではないか。しかも、首筋だけでなく、もう胸板までゴシゴシ拭いている。うう、なんて男らしいんだ。

それを見て、また汗が出て来ちゃったんだよね。もう、ここまでくると汗拭きゲーム状態。目の前の彼女と時折目を合わせながら「暑いですねえ」なんて軽口を交わしてみたり。心の中では「はやく渋谷に着かないかなー」って思ってた。汗が止まらない二人を見て、周りの人はドン引きしていたに違いない。

幸か不幸か通勤路線だったので、彼女にまた会うかもしれない。でも、いまはちょっとたのしみ。御礼の気持ちを込めた絵葉書をカバンに忍ばせているから。「これどうぞ」って渡すんだ。ラブレターじゃないよ。絵葉書のあたらしい使い方を試してみたいだけ。

2014-09-04 21.58.50

 

それを教えてくれたのが、絵葉書のオンラインサイトヨロコビtoを運営する柏本郷司さん。売っているのは絵葉書だけれど、柏本さんの事業コンセプトは「アートのある暮らし」の提案。絵葉書を入り口に、作家の作品を家に飾ってそれを楽しむという習慣を普及させるためにこの事業をはじめたと聞いて、なんだかとてもうれしかった。

古くからあるものに新しい価値を持たせる。これって、とてもむずかしいけれど、それが実現したときにはブームになる力を持っているんだよね。

あなたの売り物はなんですか?

 

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