いまから10年ほど前のこと。人生で成し遂げたい「100のリスト」を作成するなかで、「テニスの4大大会を観戦する」と書いた記憶があります。しばらく忘れてしまっていましたが、このたび念願叶ってメルボルンにやって来ることができました。

 初めて訪れるプロテニストーナメント、そしてメルボルンという街で過ごした数日で、7つの気づきを得ましたのでまとめてみました。今思い返してみても、日常生活で大切にしたいことばかりだったように思います。

1. 欲望に忠実に生きる

 全豪オープンは約2週間のトーナメント。その大半は平日に開催しているわけですが、会場では観客席以外のほうが人が多かったのが意外でした。ビールを片手にピクニック感覚で仲間と語り合う人たちの多かったことに圧倒されました。

 あとでメルボルン在住者に聞いたところによると、メルボルンには大企業が存在せず自営業者も多いことから、比較的自由な人が多いのだそう。大会期間中に合わせて休みをとってしまう人もいるようですね。

 そんな彼らを見るうちに、欲望に忠実に生きることってすばらしいなと思うようになりました。やりたいことを遠慮しない、これって日本人で得意な人は少ないですよね。DSC02469

2.食べたいものを我慢しない

 オーストラリア人は大柄な人が多いこともあり、みんな本当によく食べます。そして、めちゃくちゃお酒を飲みます。テニスの試合は1ゲーム2時間を超えることもざらですし、11時開始のチケットだと最大で3試合見れますから、およそ1日がかりなんですね。その間、ビールを何杯も飲んだり、フィッシュアンドチップスやピザといった欧米人が大好きなものが飛ぶように売れていきます。

 私も揚げ物は大好きですが、近年は健康を気にして控えてました。最終日に会場に持ち込んだのは、スーパーで買ったサラダでしたから(笑)。一方、妻は欲望に忠実な人なので、「フィッシュアンドチップス食べたいね」と何度も言われるうちに「一度くらいはいいかな」と思うように。そして、注文。こんな美味しいものを我慢していたことがはずかしい! と思うくらいの絶品でした。なにより、久しぶりに妻の笑顔が見れたことが◎でしたね…。

3. やっぱり挨拶と笑顔は大事

 スーパーや酒屋さんで買い物をすると、店員さんからまず挨拶をされます。大半は「ハロー」「ハワユー?」といったような簡単なものですが、日本のように儀礼的、マニュアル的でなく相手の目を見て挨拶をされることに最初はちょっと戸惑いました。礼儀を大切にする日本人がオーストラリア人にそれを気付かされるなんて、ちょっと皮肉っぽくて印象的でした。DSC02581

4. 自分と関係のない他者の存在を尊重する 

 街を歩いているとちょっと相手とぶつかってしまったりすることってよくありますよね。とくに日本で急いでいたりすると、無言でスルーしてしまうことも多いですが、こちらは必ず「ソーリー」と言い合っていることが微笑ましく思いました。理由を考えてみると、恐らく自分と関係のない他者に対するリスペクトのような気持ちが反映されているのではないかと思いました。DSC02457

5. 自分の仕事と関わる地域に誇りを持つ

 今回は会場や街で多くの買い物をしましたが、共通していたのはたとえどんな仕事であっても店員さんはみな笑顔が絶えず、とてもフレンドリーなこと。それって、自分の仕事に誇りをもたないとできないことだと思うわけです。

 そして、もう一つ「メルボルンは好きか?」と聞いてくる人の多いこと。これって、自分の住んでいる街、働いている街が好きでないと聴けないですよね。自分の仕事と関わる地域に誇りを持つことって素晴らしいなと思いました。DSC02524

6. 相手を「格」で判断しない

 試合終了後のインタビューは、そのままテニスコートの上で行われます。時間にして3分程度ですが、驚いたのがインタビュアーの態度とその内容(質)。いわゆる勝利者インタビューもテニスの一環であり、ショーの一環という位置づけなんでしょうね。

 例えば、シャラポワに対しては「この後シャワールームで・・・」みたいな話を切り出して(もちろん英語なので、我が英語力では詳細のすべては不明)、彼女を赤面させ、会場の笑いを引き出すことがありました。

 対して日本はどうでしょう。「今のお気持ちは?」「観客のみなさんにひと言」といったような、いつもお決まりの質問ばかりで、選手も同じようなことしか答えません。

 また、相手が強面の監督だったり、気難しい選手だったりするとインタビュワーが怖気づいてしまっていることもよくありますね。これって時間の無駄だと思います。

 相手が誰であれ、インタビュワーは観客が聴きたいことを聴くのが仕事です。相手を「格」で判断しているうちはいいインタビューはできません。自戒を込めて。

7. 敗者にも花道を用意し、敬意を忘れない

 敗者が会場から引き揚げる際、アナウンスとともに会場からは万雷の拍手が寄せられます。これもテニスならではの演出の一つですね。主客が一体となって過ごした数時間に対するリスペクトの意味も含まれていると思いました。

 いかがでしたでしょうか。今回は初めてということもあり、毎日ホテルとテニス会場の往復で明け暮れてしまいました。メルボルン、素晴らしい都市です。来年もまた訪れてみたいと思います!

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