あけまして、おめでとうございます。
コンセプトワークスの天田幸宏です。

ことしは静かに東京で正月を過ごしています。師走に入ってからも大阪、沖縄、シンガポールと遠征が続いたうえ、暮れも押し迫った28日にヨガスタジオが主催する恒例の「108回の太陽礼拝」なるものにチャレンジしたところ、全身筋肉痛に。ロボットのようなカクカクした動きの日々から、ようやくふつうに歩けるようになったところです。

108回の太陽礼拝を行うのに、最低でも2時間を要します。途中1回の休憩を挟むとはいえ、これはもはや苦行以外の何ものでもありません。ヨガの達人である先生たちでさえ、「108回なんてひとりでは絶対やらない」と言うではありませんか。

しかし、筋肉痛以上に得たものがありました。達成感はもちろんのこと、ボロボロになった身体で臨んだ瞑想の時間が、2014年を振り返るのにうってつけだったのです。本来瞑想は「こころを無にするため」に行うものとされていますが、私のような凡人にはそう簡単にできません。

私にとって瞑想とは、つねに妄想との戦いです。目を閉じた瞬間、無になるどころか「あれやったかな? これやったかな?」と、つぎつぎと未完了の確認が襲ってきます。そんなことをしていると、あっという間に過ぎ去るのが私にとっての瞑想です。今回はいつもより時間があったせいか、1年分の出来事や出会い、そして別れなどを振り返ることができたのでした。

ヨガで思い出されるのは、東日本大震災です。震災直後から東日本全体が超節電モードになり、街からはネオンが消え計画停電を強いられた地域もありました。営業を自粛するヨガスタジオが多いなかで、私が通うスタジオはオーナー先生の意思により、ひっそりと営業をつづけていたのです。

通常よりも薄暗く冷えきったスタジオで、オーナー先生が声を絞り出すようにして私たちに教えてくれたこと。それは「このような混迷の時期こそ、瞑想が必要」という主旨の話でした。アメリカでは2001年の同時多発テロの後、ヨガを日常的に行う人ほどメンタル面への影響が少なかった、という調査結果があるそうです。

だからというわけではないけれど、心身のためにヨガを続けて約4年がたちました。身体は今も硬いままですが、こころは少しやわらかくなった気がしています。もともと喧嘩っ早い性格で、何かされたらやり返さなくては気がすまなかった私は、ヨガをはじめてから変わりました。

感情を吐き出すことは簡単だけれど、もう少し吸ってからでもいいのではないか。溜まったらヨガでもやって吐きだせばいい――。そんなことを考えながら、毎日を過ごしています。なにより、クライアントさんの話を聴いてコンセプトを紡ぎだすことが仕事なだけに、自分の考えを押し付けることなくつねに真新しいスポンジのような吸収力を保ちたいと再認識した新春です。

だからこそ、多くのことを経験し、いろんな場所に行かなければという思いは人一倍強いのでしょう。ゆく先々でのさまざまな出会いを期待し、心震わせるような光景を追い求めて、ことしも移動と体験の年になりそうです。九星気学によると、九紫火星人である私は、大殺界と厄年が明け、ことしから運気も上々だとか。盲信しているわけではありませんが、ここ数年で積み上げてきたものをより多くの人々にお伝えしていく年になるだろうと予感しています。

本年も、よろしくお願い申し上げます。